坂口安吾生誕祭111の企画として、10月20日(金)~22日(日)に上演される「戦争と一人の女」新潟公演を控え、構成・演出の上田晃之さん、出演の桐生桜来さん(新発田市出身 国際映像メディア専門学校出身)、制作の丹澤美緒さん、制作・舞台監督の大橋律子さんが来県した(8月27・28日)。2日間の様子を、坂口安吾生誕祭実行委員・安吾の会の久志田がレポートします。
8月27日は公演会場のりゅーとぴあ新潟市民芸術文化会館で打ち合わせの後、新潟教育会館で読書会を開催。
「続・戦争と一人の女」の一部を桐生さんと丹澤さんが朗読した後、参加者で「戦争と一人の女」を輪読した。
上田さんの舞台(今年3月の東京公演版)は主人公である「女」を4人の女性が演じ、異なる個性が一人の「女」を演じる狙いと、徐々に現代へとシンクロしてゆく構成が光るが、「一人の女性が演じると、先の大戦の、ある女性の物語、に収まってしまう」「いかにもエロティックな人が演じるのではなく、個性の違う4人が演じることで、誰の中にもあるヒロインの要素が浮かぶ」と解説。ある女性参加者の「私の中にもあの女はいる」というひとことが胸に残る。
8月28日はマスコミ各社(新潟日報社、FM PORT、「月刊にいがた」、「Komachi」、BSNラジオ)でのキャンペーン。
「取材不慣れ」という上田さんと、卒業後初の舞台となる桐生さんだが、取材先の皆さんとの会話は徐々に弾んでいった。
FM PORT「MORNING GATE」ナビゲーターの遠藤麻理さんは「原作や映画・漫画版も読み、見ているから絶対公演に行きます」とエールを送ってくれた。
BSNラジオは夕方のワイド番組「ゆうなびラジオ」への生出演(月曜パーソナリティーは和田朋子さん)。話題は今回の公演に限定されず、“舞台を見ること”“演劇を作ること”を巡って進行、舞台を愛する上田さんと桐生さんの本音が滲み出す時間となった。
「安吾の原作や戦争というテーマに後込みせず、フレッシュに舞台に参加してほしい」という上田さんのことばと、難役に挑む桐生さんの熱意に、運営側である私も気持ちを新たにした。
取材の合間には新潟日報メディアシップの展望室に立ち寄ったり、ピア万代で刺身定食を味わい、皆さん「プライベートでも新潟に遊びに来たい」と、束の間の新潟観光を楽しんでいた。
ピア万代裏の運河から対岸の万代島や新潟港を眺める時間があったが、「空の色が3月の東京公演のチラシに使った写真と似ている」との感想があがった。新潟の風が「戦争と一人の女」にどんな味わいを加えるのか? 公演への期待が高まる時間となった。
坂口安吾生誕祭実行委員会 久志田渉
※ FM PORT「MORNING GATE」の放送日は決まり次第お知らせします
※「月刊にいがた」、「Komachi」の取材記事は10月号に掲載予定。
※「月刊ウインド」10月号(10/1発行)にも記事を掲載します。